2014年9月25日 (木)

国鉄色の考察(特急の車内色)

 今月の鉄道ピクトリアル2014年11月号では485・489系電車の特集が組まれています。
 しかし、相変わらず記号の羅列が見られ、485・489系電車が実際どういう電車だったのか解かりづらい部分があります。

 例えば、室内色です。

 特別車が薄茶色4号、普通車が薄茶色6号と書かれていますが、具体的にどんな色か、なぜこの色が選ばれたのかと言う肝心なところは全く記述がありません。
 分からなければ自分で調べなければなりません。

 ところが、困った事にこれらの色も途中色味の変更が行われています。
 共に暗くなり、色相が黄色に傾いています。

 再現した色を下の表に示しましたが、同じ色と言えないくらいの変更です。

薄茶色4号初期 薄茶色6号初期
薄茶色4号 薄茶色6号

 485・489系電車の登場時期が微妙で、国鉄色が固まってきた頃ですから、初期色を使った車両がない可能性もあります。

 しかしハッキリさせておかないといけないのは、国鉄では色見本が差し替えられる事が多く、色名で色が確定しない事もある。という現実です。

 色に限らず、いい加減に記号の羅列はやめて欲しいものです。
 ちなみに国鉄では薄茶色4号はサンドベージュ、薄茶色6号は茶ねずみ色と呼ばれ、こちらの方が色の想像がつきやすいのですが、鉄道ピクトリアルには色の理解を助けるような記述はありません。

 ところで、車内色だった薄茶色4号がJR東日本の165系電車ムーンライトの外部塗色として使われていた事を知っている人はどのくらいいるでしょうか。

 余談ですが、これらの初期色は国鉄色一覧第二版を纏める際に新たに収録したものです。
 他の使途などはそちらを参照ください。

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2014年9月 5日 (金)

国鉄色の考察(客車特急色の青)

 国鉄色一覧をCADデータ資料室にアップしてから4ヶ月あまり、その後の調査を含めた第二版をアップしました。

 第二版では今まで鉄道関連書籍に書かれていなかった過渡的な色がいくつか収録されています。

 ここではその一例として客車の青を取り上げます。

 客車は青大将など、一部の例外を除くと基本的に黒っぽい色で、普通に見れば茶色なのですが、国鉄ではこれをぶどう色と呼んでいたようです。

 1958年に特急「あさかぜ」に冷暖房完備の20系客車が投入され、これに青に白帯という塗色を採用、これを後に竹島紀元氏がでブルートレインと呼び、氏が創刊した鉄道ジャーナル誌で盛んに使われ一般的に通用するくらいに浸透したもののようです。
 そもそも、ブルートレインといった呼び方は第二次世界大戦後に南アフリカでできたもので、それに倣った可能性もあります。

 で、その客車の青が下に挙げたものです。

 左が青15号とクリーム色1号で、国鉄はこの組合せを横須賀線でも使っています。

 中が1969年に登場した12系客車で採用された色で青20号とクリーム色10号の組合せです。
 12系客車は座席車でしたので、昼行使用が多い事を意識したのか新幹線電車と同じ色になっています。
 これ以後登場した特急用客車はシステムを12系に倣ったものにした為、基本この色という事になったようです。

 客車の青について調べてみると奇妙な事に気づきます。
 青15号の初期の指定は現在のものより彩度が高く、青20号に近いのです。
 これを再現したものが右です。

 鉄道関連書籍では20系客車は渋い青色で12系客車以降は明るい青色にしたというのが定説みたいになっていますが、それでは説明できません。

 以下は私の推測です。
 昭和30年代前半に色の統一を図った国鉄が、昭和30年代後半から保守性を加味して修正・統合を図る中で、旧型客車や電気機関車も青に塗る事になった為、保守性を考慮して彩度を落とした。
 ところが、昼行使用を考えるとやっぱり鮮やかな青の方がいいが、青15号は既にいろんなものに使ってしまっていた為、青15号の色の彩度を再び上げるのではなく、元の色味に近い青20号とした。
 てなところではないでしょうか。

 ちなみに国鉄では青15号をインクブルー、青20号をライトブルーと呼んでいたようです。
 これらの色の用途などについては「国鉄色一覧」を御高覧ください。

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2014年9月 3日 (水)

国鉄色の考察(電車特急色)

 1958年の国鉄初の電車特急「こだま」で使用されたクリーム色とえんじの塗色は継続して特急電車に採用された為、国鉄特急色として一部マニアに受けがいいようですが、これは夜行特急列車の青とクリーム色の特急色と対を成すものです。

 この色は色名ではクリーム色4号と赤2号と言って、実際は「こだま」用の塗色ではなく、元々1954年に登場したレールバスの塗色を流用したものです。
 赤は前回取り上げた赤1号に続いて2号とされていますから、国鉄の基本色としての旧い色であった可能性もありますが、この色が出来上がった経緯については鉄道関連書籍を見ても良く分かりません。

 この色も保守性を改善する為に途中色味を変更しています。

 上の3つの組合せは、左がレールバス初期の色を再現したもの、
 中が「こだま」登場時を再現したもので赤が若干暗くなり、
 右が色見本として落ち着いた後でクリーム色が赤に傾いて明度彩度共に落とされ、赤も明度彩度共落とされています。

 書籍などで特急「こだま」デビュー時のカラー写真を見る事がありますが、その色が今より明るく派手な印象を受けるのは、写真が古いからとか、気のせいとかではないと思います。

 ところで、色名はクリーム色4号と赤2号ですが、慣用名はそれぞれ「小麦色」と「えんじ」で、この方が実際の色のイメージに近いと思います。

 これらの色はこの後、用途を広げていますが、どんなところに使われているかはCADデータ資料室にある国鉄色一覧を参照ください。

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2014年9月 2日 (火)

国鉄色の考察(赤と赤1号)

 国鉄が色についての規定がハッキリしてきたのは戦後なんですが、その際に当然以前から使われてきた色も扱われています。
 その中には主に注意を促す意味で「赤」もあったはずです。
 ではその色はどんな色だったのでしょうか。
 WEBで使われる色彩で赤(red)を指定すると下の左の様な色になります。
 16進で#FF0000です。RGBで255,0,0、つまりRの成分だけです。

いわゆる「赤」 国鉄「赤1号」

 ところが塗料やインクの顔料のマゼンタは色覚的に青っぽく見えるのでイエローを加えます。
 この塩梅の概念がマンセル記号に乏しいのか、インキメーカ、塗料メーカ、或いは変換式、測定値で示される5R付近でのバラツキが大きくなってしまっているようです。
 5Rの彩度は5R5/20あたりが最高になるはずなのですが、マンセルの色見本にはここまで彩度の高い色が載っていないというのも色を分かり難くしています。

 で、国鉄の「赤」ですが、赤といえば郵便車に使われた「〒」のマークで、旧来の赤を引き継ぎ、国鉄で単に赤と言えばこの色だったろうと思います。
 これが赤1号で私が再現したものが上の右の色です。
 車体の外部塗色としては711系電車が元の特急電車の赤2号(えんじ)を1985年以降に塗り替えた赤がこの色です。

 左右で大分違いますね。

 国鉄の赤系統の色でもっと彩度の高い色があるのですが、これについては別の機会に譲る事にします。

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2014年8月30日 (土)

国鉄色の考察(赤7号)

 国鉄車両にはもちろん色がついているわけですが、この色について国鉄では色見本を作って規定しています。俗に国鉄色と言われていたりするものです。
 この色について鉄道関連書籍では「何色何号」と記載され色そのものについての解説が殆どされていないのが現状です。

 ならば自分でやるしかありません。
 ところがこれが結構大変で、数ヶ月かけて纏めたものがCADデータ資料室に上げてある国鉄色一覧です。調べているうちに94色になってしまいました。
 これの作成をきっかけに鉄道関連書籍や資料で色についての記載があると気になったりしますが、思った事をこのブログでボチボチ語ってゆこうかと考えています。

 最初は赤7号です。

上の二つの色はどちらも赤7号(マルーン)とされているものですが、左が座席のモケット指定の色で、右がサロンエクスプレス東京などの外部塗色とされているものです。

設定された時代に隔たりがあり、モケット素材と塗料の違いもありますが、どちらも内装色としては特別車(グリーン車)で使用されていますから、同色と考えたくなります。
ところが参考値で示されているマンセル記号では特に明度の違いが大きく、モケットは黒に近いのです。

マンセル記号というのが曲者で、これをどう捕らえるかという事になります。
そもそも国鉄を含め、マンセル記号は参考値であって、これで色指定を行わない事になっています。

急行のグリーン車は絶滅していますが、記憶を辿るともっと赤っぽかったように思いますし、国鉄色一覧を纏める際にも塗色の赤7号をRGBで再現するのに苦労していますから、別のところに落としどころがあるのかもしれません。

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