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2015年12月

2015年12月26日 (土)

国道410号線の松丘隧道モルタル崩壊の怪

9人もの人の命を奪った人命軽視の危険構造物由来の笹子トンネル事件を受けて、補修工事の名のもとに、人命軽視の危険構造物構築工事が継続して行われていた。

国道410号線の松丘隧道は、笹子トンネル事件を受けた調査で補修の必要性があるとされ、補修を行っていたとされる。

ところが、それは危険なモルタルを新たにまた危険なモルタルに置き換えると言う、土建屋がやりがちな安全性無視の予算消化形の施工である。
しかもそのモルタルを御丁寧にも重量物のコンクリートの化粧板で覆い隠すと言う念の入れようだ。

この工事に関わった人は多い筈だが、誰一人として「これはおかしい」「危険だ」と思わなかったのだろうか。
「これはおかしい」「危険だ」と分かっても言えないのであれば、それが一番危険なのだ。

笹子トンネル事件の項でも述べたが、重量物を下から支える事なく使用する「土建屋の常識」は、私のような安全性最優先の機械技術者から見れば危険極まりないもので、これが罷り通っている現状を国土交通省をはじめ、関係各所は重視しなければならない。

全長およそ20m、落下総重量23.5t。
これ、電車1両がズドンと落ちたのに相当する。
今出来る事は、同様な施工のトンネル等の設備の即刻使用中止である。
それが出来なければこの手の事件は今後も起きるだろう。

マスコミ各社がやるべき事は、千葉県が異常を見つけた残り7箇所のトンネルが今どうなっているか現地各所に飛んでいって報道し、警鐘を鳴らす事である。
千葉県が見過ごした施設は本当に安全か、他の都道府県はどうか、マスコミがやるべき事は山ほどある。
毎日各報道番組に専用コーナーを設けても、それを延々と続けられるほどのネタはある。
危険な施工基準はどのように生み出されるのか、現場でおかしいと思ってもその声が届かないカラクリ、等々。

実際は極めて残念な事にその気配は薄い。
以前から危険性が指摘されていた・・・そんな報道はもう御免だ。
事は人の命に関わる問題である。指摘された時点で、それが改善されるまでマスコミは警鐘を鳴らし続けなければならない。
危険性を指摘されながら放置の関係者はどんどん吊るし上げるくらいの気概を持つべきなのだ。

マスコミの警鐘により土木の安全性が向上した。記者諸君はそうしたいとは思わないのかね?
広告収入の方が大切なのかな。

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2015年12月20日 (日)

消費税複数税率の怪

政治家はおろか、マスコミですら消費税の軽減であるかのような言い方をする複数税率。
もし本当に軽減であるならば、現行の8%からどれだけ下がるのか問題にする筈。
10%に上げないから相対的に「軽減」などと言っているのであれば、これは詐欺まがいではないだろうか。
マスコミ、しっかりしろよ、と言いたい。
8%据え置きのモノがあったとして、それのどこが軽減なんだよ。

それから、複数税率に対する事務処理の煩雑さがどうのとか、これもおかしい。
消費税導入前、日本には物品税、通行税といった消費税が存在し、その税率は雑多であった。
例えば、オーディオ用のスピーカ。フルレンジ単発とツーウエイ以上のスピーカでは税率が違った。
そうすると、バラで売られていたスピーカは単発扱いだが、販売店で複数のスピーカーをツーウエイ以上としてエンクロージャに収めて販売するとツーウエイ以上のスピーカとなって、販売価格に転嫁する物品税が増える。
これを、販売店が清算して納めていたのだ。

消費税導入前の物品税という「消費税」の時には出来た事ができないなんて、おかしいではないか。
それよりも、物品税との比較をしても良さそうなものを、物品税の「ぶの字」も言わないマスコミはどうかしている。

それから、最初の話に戻るが、税が上がる品があって、下がるものが無いのであれば、政府や国会はその増収分をどう有効に使うか議論すべきであるのに、下がるものが無いのにその財源をどうするかなどという議論をしている自民党(その弱小派閥公明派(自称公明党)を含む)ってなんなのよ、と言いたくなる。

生活必需品に対しては税率は0%でもいいと思う(物品税はそういう考え方だった)と思うのだが、国税庁が指摘するように、これは高所得者層にも減税の効果がある。
これを是正するには、所得税の累進性で補うしかないのである。
また、投機的利益に対しても、所得に組み入れて所得税の累進性の効果を及ぼすべきなのである。
現に、高所得者層は余剰資産を投機に回す傾向があり、その結果、収入に対する税負担率が下がって累進性が崩れるのである。
生活困窮層は、株券買ったり、FXなんかしないだろうから、これで苦しむ人なんかいないと思うんだけどな。
投機なんてのは、自己責任なんだし、配慮する必要は本来ない。

もうね、突っ込みどころ満載なんだよ。
マスコミ、しっかりしてくれよ。
現状では問題点を指摘しているフリをしながら妙な解説をして政府の広報機関に成り下がっているようにしか見えない。

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2015年12月 6日 (日)

笹子トンネル事故の怪(追悼文)

石川友梨さん(当時28)の妹・愛さんの3年の追悼式での言葉のほぼ全文と思われる内容が分かりましたので掲載します。

マスコミの要旨が恣意的で適切さに欠けるものが多い事、編集で細かくツギハギしているさまが分かります。

愛さんは結婚され、改姓されているものと思われますが、この点はマスコミで触れられていません。
既に姉の年齢を追い越し、29歳になったとされています。

これでも一部、繋がりの確認できない部分があり、この部分は一行空けてあります。

本ブログ公開後、新たに判明した文言を赤文字で追記しました。
この部分の挿入位置は文脈からの推定で、この一つ前あるいは二つ前の文節と前後している可能性があります。
この部分を公開していたのは私が調べた範囲ではテレビ朝日だけで、逆にテレビ朝日はこの部分を報じた番組でこの前後をバッサリ切り落としています。
挿入位置が確定しないのはその為です。

3分ほどの短いものと思われ、全体で一つの大きなメッセージになっています。
本来編集すべきものではないものと思います。
また、これはマスコミの言う「悲痛な訴え」ではありません。ごく普通の考え方で、亡くなった人の無念を代弁していると捉えるべき物です。
マスコミには感情を煽る稚拙な報道を控え、問題が多々ある本件について、9人も殺した無差別死傷事件を「事故」及び「点検問題」にすり替えようとする側に迎合する事の無い様、切に願うものです。

以下判明した全てを記します。

***

(正面に向かって)
友梨お姉ちゃん。今でもはっきりと覚えています。
3年前の今ごろ、わたしは夜勤へ行く前で、ぼーっとしながら家事をし、何気なくついていたテレビに目もくれず、何か大変なことが起きているのか、それぐらいにしか思っていませんでした。

あなたが亡くなった時、私は妊娠7ヶ月、結婚して2週間、
自分の人生で最も幸せ絶頂期に、あなたがくれたプレゼントは、あなたの死という最低のものでした。
事故から数週間後にあなたを山梨へ迎えに行った時、あなたと対面をしました。
だけど、対面したあなたは、私が知っているお姉ちゃんじゃなかった。
重さ1.2トンの天井板に押しつぶされて、「助けて」と叫びながら、千度近い炎で3時間焼かれたあなたは、手も無くて、足も無くて、体の中で一番硬い歯でさえ残ってなかった。
上下分かれ、バラバラになって、小さなただの炭の塊だった。

(事件を起こした側に向き直って)
あなた達は、本当に分かっていますか
あなたたち、ここにいる人達が、一人ひとり、本当のプロの意識がなかったがゆえに、ここにいる9人は死にました。
自分達でちゃんと危険を考えて、何千人も社員がいるんだから、誰か一人が、「この点検方法はおかしい」、「天井板が危ない」ってさえ言ってくれたら、お姉ちゃん達は死なずに済みました。

あなた達は家に帰れば大好きな家族に会えるかも知れないけど、
私達は自分達が死ななければ家族に会う事ができません。
あなた達は本当にその事を分かっているんですか。

私達遺族は何年立っても何十年立っても
この事故を忘れる事も家族を忘れる事も悲しみを忘れる事も出来ません。

(正面に向き直って)
3年前の今日、あなた達は空へ帰って行きましたが、
あなた達が命懸けで教えてくれた事や、遺してくれたものから、私達はそれぞれ感じたり、学んだりし、命を大切に生きていきます。

石川友梨の妹、愛。

(大きな拍手をした者が一人)

追記は2016年1月10日。

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笹子トンネル事故の怪

「あなた達、ここにいる人達が、一人ひとり、本当のプロの意識がなかったがゆえに、ここにいる9人は死にました。誰か一人が、『この点検方法はおかしい』、『天井板が危ない』ってさえ言ってくれたら、お姉ちゃん達は死なずに済みました。」

石川友梨さん(当時28)の妹・愛さんの3年の追悼式での言葉が全てを語っている。

私は事故前に何度もこのトンネルを通っていたので、この事故に関して注目していたのだが、分かった事は機械技術者の私から見れば信じられない事ばかりであった。

まずアンカーボルト。
これは機械設置の際にも、土台に装置を固定するのに用いられる事が多いのであるが、私の認識はあくまで載っている物が動かないように使うものである。
街角でも自動販売機なんかの足元を見ると、販売機が勝手に歩いてゆかないようにしているアレである。
基本的に、荷重を支えるのは脚であって、アンカーボルトはあくまで位置決めなのだ。
笹子トンネルの天井板は、1トンを超える物もあるにも係らず、下から重量を支える脚が無く、アンカーボルトで吊るされている。
非常に危険な構造である。

強力な接着剤。
アンカーボルトにいかに強力な接着剤を使用しても、荷重を支えるのはトンネルの構造物である。
ここで検証が必要なのは、トンネル本体の天井に天井板を支えられるとした設計の前提である。
トンネル構体は、自身を支える為に強固なアーチ構造をしているのであるが、その内側の化粧ともいえる外壁部分になぜ重量物をぶら提げようと考えたのであろうか。
繰り返しになるが、重量物を支える場合は、下から支える事をまず考えるべきであって、化粧の上っ面に何ミリアンカーを深く入れようが、強固な接着剤を併用しようが、それで危険な構造が安全になることは決してない。
基準がどうあろうとも、設計時、施行時、点検時に、これは危ないのではないか?と思った人はいたに違いない。
そう考えれば、冒頭の愛さんの言葉は至極当然のものなのである。
プロの意識、それ以前に、どう見ても素人でしかない。
調査報告書でも原因をハッキリさせていないのは、報告書に関わっていたのが土建関係者だったからだと思っている。
なぜなら、原因を明らかにすれば、自分達の基準が危険だという事が露呈してしまうからだ。
このような問題意識の無さでは、同様なずさんな基準及び設計施工に起因する「殺人」はこれからも起きるだろう。

マスコミに望む事は、この明らかな落ち度を、愛さんの言葉を使って「遺族の思い」として片付けないで欲しいと言う事だ。
設計・施行の前提がおかしい。これを報じるのに「専門家」のコメントに安易に頼らず、各マスコミで記者・解説委員が激論を戦わし、とことん追求して欲しいのだ。
重量物は下から支えるべきもの。吊るしたから落ちた。この当たり前の事が起きたのだ。
連鎖して複数の天井板が落ちたのは、吊るすという事が不安定で危険である事の証左なのだ。
愛さんをはじめとして、遺族の方々は皆、殺されたと思っている筈。
この考え方は正しい。そう、殺されたのだ。
「ここにいる人達」が誰であったか、一人ひとりマスコミはきちんと報じるべきなのにそれを怠っている。非常に残念な状況だ。

点検に問題があった?
複数のアンカーボルトが一斉に抜け、破断して一気に落ちたのだ。
アンカーボルトで恒久的にものを吊ってはいけない。抜ける事もあるからだ。
そして、1本抜けるとバランスを崩して一気に瓦解する事もある。
この事故はその容易に想定される事態が起きたに過ぎない。
いや、事故ではない。このような危険な施工を平然と行った設計管理側の殺人なのである。

山梨県警察に望む事は、明らかな人命軽視の施工管理側の責任者を炙り出し、殺人容疑で送検する事である。
こんなの過失じゃない。危ない施工方法にGOを出した人による無差別殺人なのだ。

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