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2015年3月

2015年3月21日 (土)

ドラマ「相棒」の怪

まず。「相棒」がどんなドラマなのか解説しよう。

杉下右京は「たまたま」が続く事によく不信感を抱くが、ドラマは「たまたま」の連続である。

見落とす筈のないものを捜査一課が「たまたま」見落とし、それを「たまたま」杉下右京が発見し、それが「たまたま」事件解決に結びつき、杉下右京が関係者に会っている時に「たまたま」重要人物が現れたり「たまたま」電話が掛かってきたり、いいタイミングで「たまたま」米沢から電話が掛かってきて、杉下右京が鑑識に行けば「たまたま」いつもそこにいる。

「たまたま」ドラマ、それが「相棒」なのである。

その「相棒」のシーズン13が終了した。
その結末にガッカリした人も多かったろう。
シーズン13では杉下右京の明晰な筈の頭脳は完全に腐っていた。

「相棒」は、小野田公顕がいたから「特命係」として存続していた杉下右京というのが軸になっていた。

それを端的に現したのがシーズン6最終話で小野田公顕が亀山薫に言った言葉で、これが一つの軸になっていた筈なのだ。
「三雲判事はね、辞めるんではなく、辞めさせられるの。違法な礼状をごり押ししたから。
礼状を請求するよね。犯罪事実の欄があるのよ。
あの段階で、飯田正志にそれあった?明らかな違法捜査だよね。それも重大な。
あれ?亀山君は、何も知らなかったの?相棒なのにねえ。
杉下の正義は時に暴走するよ。
一緒に大怪我する前に、君もそろそろ、身の振り方を考えるべきじゃないかしら。
僕で良かったら、力になるよ。」

小野田公顕がいなくなり、なぜかピルイーター大河内春樹が杉下右京をかばう役になり、甲斐峯秋までもなぜか一目置いている事になっている。

実はシーズン13の15話では杉下右京は明らかな誘導尋問を行っており、小野田公顕に代わって社美彌子がその事を指摘している。
この人は自分の正義を優先するのだと。
しかしそもそも杉下右京が誘導尋問をする件は必要ないものです。
それをわざわざ描いているからには、それを下敷きにした物語展開がなければおかしいことになります。

ところが、こういったシリーズの主軸が最終話まで繋がらす完全に無視されている。
内容も稚拙である。

初代では左遷された亀山薫が海外に気持ちが動くという人物像があったし、2代目神戸尊は訳あって特命係に降格して出向してきて最終的に警察庁に戻る。
甲斐亨にはそれがない。小野田公顕亡き後、何の落ち度もない甲斐亨を杉下右京が希望しても、異動させる理由がないのだ。
息子を警察から追い出す為に甲斐峯秋が異動を受けたのだったとしたら、その後の杉下右京に一目置く言動はおかしいし、最終話では亨の犯罪の一端は杉下右京の優秀さにあるといった説明までするというおかしさの念の入れようだ。
シーズン13ではそれまでに伏線もなく、意外性に拘った制作陣の知恵のなさを露呈した。

唐突に2年前からやっていたって言われてもねえ。笛吹悦子は防犯カメラ映像で不審を抱き、甲斐峯秋は笛吹悦子を見ておかしいと思う。杉下右京は?

相棒シリーズには、東大を首席で卒業=頭脳明晰というステレオタイプと、そういう人はどういう言動をするのかと言う凡人の想像の域を出ないドラマだったのだ。

もしシーズン14があったとしたら、それは「たまたま」ですかね。

最後に一言。
角田課長は警視です。なぜ軽々しく使うんでしょうか。
米沢守には寄席のチケットを使って買収したりしてるのに、角田課長はコーヒーブレイクするのが専ら。で、なぜか「たまたま」重要な人間関係を語っていったりするわけですな。
個人的には大木/小松コンビのテレビドラマを見てみたいものです。最高の「相棒」みたいなんで。

杉下右京はもう飽きましたよ。水谷豊さん。

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