2023年5月18日 (木)

国鉄電車の標準的な主電動機MT46(A)/MT54について考える(その四)

 111・113系電車の限流値について調べてみます。

 111系電車は登場当初はMT46の1時間定格の300Aとしていた可能性がありますが、少なくとも113系電車登場後は350Aとされています。

 そもそも、MT46使用の車両をざっと眺めてみても、113系登場前の初期の段階から、153系電車では320A(後に165系電車との混用に伴ってか350Aで使用されるようになった模様)、157系電車では限流値400A使用としていますから、1時間定格の300Aが許容値ではなく、限流値の設定は変電所容量などの問題(モハ90→101系電車は当初全車電動車で計画されていた)や使用状況と関係あるように思います。

 また、113系の限流値は1時間定格の360Aではなく350Aとされています。

 図にプロットしてみます。31a_

 全界磁でMT46は117kw/1770rpm、MT54は120kw/1640rpmになります。
 (三)で1時間定格出力をMT46が99kw、MT54が123kwと導いていますから、限流値の設定により113系電車は若干控えめにし、111系電車の方をかなり引き上げている事になります。

 で、MT46・MT54を共に350Aで使用した場合、回転力の差は約11%に縮まります。

 (三)と同様に図を順を追って見てみます。
 フルノッチ入れたとします。
 すると電車は歩調を合わせて走り出します。

 MT54車は約55km/hで弱界磁に進段し、MT46車は並列段のまま加速し、約63km/hで弱界磁に進段します。
 100km/h程度までMT54車の出力が上回る事が図から読み取れます。
 つまり、MT54車は殆どMT46車を引っ張っている形になります。

 では、3ノッチで止めた時はどうでしょうか。
 MT54車は約55km/hで回転力が低下し始めます(1時間定格時と比較すると約0.5km/hほど速度が高い)。MT46車は回転力を維持できる速度が約60km/hに低下します。途中、57km/h辺りでMT54車を上回ります。
 MT54車は起動後約55km/hまでMT46車のおよそ1割増しの回転力で引っ張りますが、その後その差は縮まってゆき、約57km/h以上ではMT46車が引っ張る形になります。

 平たく言えば、限流値を上げれば回転力が上がるが引っ張れる回転数は下がる、という事です。

 最初に言った通り、定格値
MT46:375V/100kw/300A/1860rpm
MT54:375V/120kw/360A/1630rpm
を分かったかのように書いたところで電流値(設定限流値と言ってもいい)ごとの特性を見なければ実際のところは分からないのです。

 私はMT46(A)とMT54を同系、と言いましたが、目立つ違いは抵抗値です。
 MT46に比べ、MT54は巻線導線径を大きくした、と言ったところが主な違いなのかなと思います。
 但し、それによって出力特性は結構変ってしまうのです。

 最後に、鉄道関連書籍ではどう書かれているか、一例を挙げておきます。

以前にも取り上げた

福原俊一著、「111・113系物語」JTBパブリッシング・2013

にはこう書かれています。113系電車に関して、

「性能面は111系と特性を合わせて併結可能とし、歯数比も同一の4.82が採用されている。」(p.38)

 自称"電車発達史研究家"はこのレベル。少し「研究」すれば、こんな素人感丸出しの恥ずかしい言い方はしないと思いますけどね。
 113系電車は1時間定格に近い使われ方をし、111系電車は使用線区に鑑みて限流値を引き上げている、というのが実際のところなのです。
 国鉄はMT46をMT54に置き換えていく方向になって、113系電車もその中で登場していて、多くの線区で111系電車が特に非力であったとも考え難く、それでも全国的な車両の転配の可能性のある国鉄では、MT54に統一するというのは理に適っているといえます。

 ちなみに山用115系電車は限流値が420Aとか440Aに設定されていたようで、MT54を使用していた115系電車以外でも定格以外の限流値の設定は常態化していたようです。
 115系電車は111・113系電車のようにMT46とMT54を混用する事を考慮していないと言ったところでしょうか。
 得られた図を辿ってみると、MT54は420Aでは142kw/1636rpm、440Aでは149kw/1612rpmくらいになります。
 私見になりますが、MT54はMT46のパワーアップ版というより、電流値に幅を持たせ、使用領域、対応幅を持たせた鉄道車両用汎用直流モータ、と言えるのではないかと思います。

 どうでしょうか。主電動機特性曲線は、全体的な車両性能が導き出せる拠り所になる、という事が分かると思います。

 私はそんなに難しい事を言っているわけではありません。

 基礎的な事も考えられずに鉄道関連書籍にいい加減な記述を続けている人が多い。また、そのような人に記述を許している各出版社には猛省を促しておきます。

 なお、この一連の記事はアバウトな「主電動機特性曲線」を基に各値を捻り出していますので、数値に元図に由来する誤差がありますので注意願います。
 ただし、出てきた各値にそれほどおかしな所もなさそうですから、元図はそれなりの信用性があると考えてよさそうです。
 国鉄は計算に用いる動輪径を基準-40mm(860mmであれば820mm)で計算していますが、本記事では車輪基準径そのもの(860mm)で速度換算しています。

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2023年5月17日 (水)

ちょっと旧い写真(その七)

2002年9月
P9020143b75東京駅。まだ国鉄本社跡地には建物らしいものはない。
P9110150b75 湘南新宿ライナーと並走する遅れ「あさかぜ」。
時々こんな事があった。
右端に見えるパンタグラフが付いた車両はスハ25。
背後に鶴見西友fugaが見える。


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2023年5月16日 (火)

国鉄電車の標準的な主電動機MT46(A)/MT54について考える(その三)

MT46の111系電車とMT54の113系電車はどうやって混用されてきたのか?

 この辺は、知りたい人もおられると思いますので、少し考えてみます。

 前回図を起こして分かったのは、MT46、MT54夫々の各界磁率で出力を保ったまま回せる回転数が違う、という事です。

 ここでクハ111からの制御信号について触れておきます。
 クハ111の制御は直列1-直列2-並列-弱界磁の4ノッチで、線番号1-2-3-7が割り当てられており、初期の19芯の車両間ワタリの新性能電車共通です。各々のジャンパ連結器のピン位置も固定されています。
 つまり、新性能電車の制御車は抑速発電ブレーキとノッチ戻しを使わなければ基本的には使いまわしが利く、という点を押さえておくといいと思います。
 電源や供給エアの問題とかで使えない組み合わせもあるとは思いますが、制御回路上はそうなっています。
 ジャンパ連結器の違うモノ相互間の連結については
鉄道関連書籍を読む
で触れていますのでこちらを御覧ください。

 では、MT46とMT54は1時間定格という前提でどういう挙動を示すのか、考えてみます。

 回転数より速度の方が捉えやすいかと思いますので、横軸に111・113系電車における速度を採ってプロットします。

31_  

 御存じの方も多いと思いますが、いきなり4ノッチ(フルノッチ)入れても電動車の制御装置は順を追って進段していきます。
 つまり、各ノッチは進段の終わりを指示している事になります。

 1ノッチ:起動
 2ノッチ:直列最終段まで
 3ノッチ:並列最終段まで
 4ノッチ:弱め界磁最終段まで

 図を順を追って見てみます。
 フルノッチ入れたとします。
 すると電車は歩調を合わせて走り出します。

 MT54車は約55km/hで弱界磁に進段し、MT46車は並列段のまま加速し、約63km/hで弱界磁に進段します。
 進段は設定された限流値に沿って各車行われるはずですから、他車がどう、という事は関係ないはずです。。
 100km/h程度までMT54車の出力が上回る事が図から読み取れます。
 つまり、MT54車は殆どMT46車を引っ張っている形になります。

 では、3ノッチで止めた時はどうでしょうか。
 MT54車は定格速度の約55km/hで出力が低下し始めます。MT46車は回転力を維持したまま約63km/hまで出力が増していきます。途中、60km/h辺りでMT54車を上回ります。
 MT54車は起動後約55km/hまでMT46車のおよそ4割増しの回転力で引っ張るが、その後その差は縮まってゆき、約60km/h以上ではMT46車が引っ張る形になってしまいます。

 どうでしょうか。

 定格出力の差以上に回転力の出方に違いがあり、混結した際の前後動の問題もあるのでは?などと思ったりします。

 調べてみると、111・113系電車は夫々の電動機を1時間定格で使っていません。

 その辺については次回考える事にします。

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2023年5月15日 (月)

ちょっと旧い写真(その六)

 今回は鉄道は出てきませんが。in館山の続きです。

 館山の海中観光船。
 「たてやま2」て書かれていますが、この度改めて調べてみても出てくるのは「たてやま」ばかりで「2」が出てきません。
 どういう経緯になっているのか分かりません。
 2号がなくなったのでしょうか?
P8240035b75
 館山城八犬伝博物館からの眺め。3枚の写真の合成。
 館内ではNHKの「新八犬伝」のビデオが流れてました。
 最近、NHKアーカイブスでやってましたが「新八犬伝」のVTRテープで残っているのは1話と最終話くらいなんだとか。

P8250123_stitchb75

 

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2023年5月14日 (日)

国鉄新性能電車のクラスプ式ブレーキについて(その三)

 国鉄電車のクラスプブレーキについて、最終的なテコ比を決定する水平テコ比を乗じたテコ比の傾向を見てみます。

 大きく分けて制輪子は鋳鉄系(FC制輪子・合金制輪子の類。焼結制輪子はこちらに近いようです)と特殊系(レジン制輪子の類)に分けられています。

 ざっと見たところ、国鉄のクラスプブレーキのテコ比の範囲は鋳鉄系は5.57~7.66、特殊系が2.01~3.62になっています。

 JR移行後、国鉄電車は使用線区・用途に合わせ手が加えられてゆきますが、ブレーキに関してはその後の経過がハッキリしなくなってゆきます。

 113系電車もその例に入るのですが、例えばJR西日本では手を加えた様子が一部窺えます。

 元々、111系電車はそれ以前の新性能電車(101系・151系・153系・157系)のようにFC制輪子と特殊制輪子を使い分けようとした様子がなく、特殊制輪子をテコ比2.56で使用する事しかブレーキ組立に記してありません。
 113系電車も踏襲していたとみられますが、JR西日本では運用形態の見直しに合わせ、応加重装置の使用、制輪子の変更(焼結系の様です)に合わせ、テコ比を4.19に見直したらしい事くらいしか改造記事からは分かりません。
 新しい車両に見劣りする事なく走らせようとする為に軸箱を交換した、というのが目立つ改造点でしょうか。
 ブレーキテコ比4.19。鋳鉄系、特殊系の間にスッポリ入る値です。
 制輪子の変更と同時に行われており、この辺は総合的に判断されたものでしょう。

 そもそも、111・113系電車は国鉄時代から110km/h運転をやっていて(私は実際に110km/h程度まで引っ張って走っていた111・113系電車に乗った事があります)、だからこそJR各社は細かな修正を加えつつ使い続けたのだと思います。

 これらを踏まえて、鉄道関連書籍ではどう書かれているか見てみましょう。

福原俊一著、「111・113系物語」JTBパブリッシング・2013

 にはこう書かれています。
「「てこの原理」を考えれば分かるようにブレーキ力は水平テコの寸法を変える事で調整可能である。」
「本文で記したように7500番台車などでは2.56から4.19に変更してブレーキ力が増強されたのである。」

 本文にまともな記述をしているでもなく、この言い方。
 先に述べている通り、国鉄新性能電車のクラスプブレーキは基本テコ比は6で、それをどう使うか、という設計になっています。
 テコ比の変更は使用状況などに鑑み、制輪子の変更に合わせ行われたもの、というのが無理のない説明になろうかと思います。

  ついでながら、国鉄クラスプブレーキの水平テコの力点-作用点の距離は455mmもしくは460mmになっていて、テコ比を変える場合に変えるのは「支点」の位置です(国鉄図面でもDT23の説明ではそういう書き方をしています)。従って所要のテコ比を変える場合には水平テコの支持部材もそれに応じて変える事になります(予め支点ピン穴を複数設けて対応するものもある)。
 JR西日本の113系電車がそれまでのDT21系にないテコ比を使うとしたのであれば、この辺一式を新たに用意した事になります。まあ、主眼は高速により適するように軸箱を変更、みたいですから、同時に色々見直したのではないですかね?
 テコ比を2.56から4.19に変更、という事は水平テコを136:319から187:268にした事になり、支点位置を51mmズラした事になります。

 どこぞの大学卒業、て言ったところで、それが経営工学科という(いわば鉄道車両を考える上では専門外の)学科であるならば、"研究家"を自称するにあたって、改めて機構学・機械力学・図面の読み方、などの基礎くらい学んでおいてから臨むべきだったと思います。

 分からない事については自身で考え、調べ、分かるまでは知ったかぶりをしない、というのが"研究家"として最低限必要な姿勢ではないでしょうか。

 ちなみに、私は「研究家」ではありません。強いて言えば、「機械設計製図屋」です。
 鉄道車両って何?という素朴な疑問に自身の機械設計技師としての目で答えを見つけようとしているだけです。
 そうしていると、鉄道関連書籍の記述におかしいんじゃないの?それ本当なの?て思う記述に結構出会ったりして、では実際はどうなのよ、てまた調べ、考えてしまうのです。

 ここ一連の私のクラスプブレーキや電動機の記事は受け売り知ったかぶりではなく、資料に基づいて、これはどういう設計になっているのか、自身で考えた過程を記しています。
 他にこういった説明をしてる人、どこかにいますかね?

 鉄道関連書籍に記事を書いている方々、著者の方々には、公刊されるからには色んな人の目に晒される、という認識をもって執筆しなければならない、という自覚を持っていただきたく。

 分かっている事を噛み砕いて説明する事と、大して分かってもいないのに分かってる風に振舞うとか知ったかぶりする事って、分かっている人から見ると区別がつくものなんですがね。

 最後に、この一連の記事を書くのにあたって、国鉄図面や関連性のある記事、規格、複数の制輪子製造メーカの資料を当った事を申し添えておきます。これだけ当たっても制輪子は種類が多く、実際はどうなのか掴みがたい。

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2023年5月13日 (土)

ちょっと旧い写真(その五)

 2002年7月in館山
P8240014b75  255系電車。館山駅。JR東日本で最初のインバータ制御の特急電車。
 短距離行楽輸送列車の趣。
 背後に伺える館山駅西口は大分変ってしまったようだ。
P8240015b75  特急の英語表記は国鉄時代から変わらぬ"LTD.Exp."。「ビューさざなみ」はなくなってしまった。
 スペースを有効に使っているとは言い難い視認性の悪い表示器。今はLED表示器に交換されている。

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2023年5月12日 (金)

国鉄電車の標準的な主電動機MT46(A)/MT54について考える(その二)

 ここで電動機の定格出力とは何か、考えてみます。

 前回作った横軸に回転数を採った線図を基に出力をプロットしてみます。

21_mt46_ 

 MT46は一定の電流値(定格電流300A)を保って1880rpm程度まで回転力一定で出力上昇、定格電流に到達すると出力約98kwをピークに出力が下がります。
 弱め界磁40%だとピークは約3,160rpmで出力は約99kw。

 MT54は一定の電流値(定格電流360A)を保って1620rpm程度まで回転力一定で出力上昇、定格電流に到達すると出力約123kwをピークに出力が下がります。
 弱め界磁40%だとピークは約2630rpmで出力は約122kw。

 MT46、MT54共、全界磁のピークと40%界磁のピークに出力に殆ど差がなく、その出力はほぼ定格出力に一致している事が分かります。

 そこで、全界磁から40%界磁まで電流値を変化させずに界磁制御ができると仮定して回転力曲線図を描いてみます。

22_mt46_54

 ここまでやると見えてきますね。

 MT46では一時間定格の300Aでは起動後定格回転数1860rpm(私が捻り出した図では約1880rpm)辺りまで回転力一定(約51kg-m)で加速、そこから弱め界磁段に入り出力一定(回転数の増加に伴って回転力は落ちる)で40%界磁まで引っ張るとその時の回転力約45kgf-mで回転数は約3,160rpm、という事になり、

 MT54では一時間定格の360Aでは起動後定格回転数1630rpm(私が捻り出した図では約1620rpm)辺りまで回転力一定(約74kg-m)で加速、そこから弱め界磁段に入り出力一定(回転数の増加に伴って回転力は落ちる)で40%界磁まで引っ張るとその時の回転力は約31kgf-mで回転数は約2630rpm、という事になります。

 この線図に電動機に対する負荷を除すれば加速力が得られ、走行抵抗を重ねれば平坦線均衡回転数の到達点が、更に勾配抵抗を加えれば各勾配における均衡回転数が得られる事になります。

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2023年5月11日 (木)

ちょっと旧い写真(その四)

2002年8月、小田急本鵠沼駅。

P8120015b75

 駅舎そのものは殆ど変わりありませんが、下りホーム側(写真の奥側)にまだ改札口はありません。
 踏切向こう側の平屋の雑貨屋さんも今はなく、ビルが建っています。
 駅前のスペースが広いのは、かつてバス路線があった時の名残だと思うのですが、この辺は良く分かりません。

P8120016b75

 本鵠沼駅を発車する2600形の各駅停車片瀬江ノ島行き。
 2600形もなくなってしまいましたね。
 この踏切はこの後拡幅され、歩行者通行帯が設けられています。

 

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2023年5月 6日 (土)

国鉄新性能電車のクラスプ式ブレーキについて(その二)

前回の図で解り辛いと思った人もいるかと思いますので、ブレーキを緩めた状態を重ねた図を示しておきます。
Png では、実際に大体どのくらいの力が掛かっているのだろうかと、ふと疑問に思ったものですから、外しているかもしれませんが、自分なりにざっと計算してみます。

 ブレーキシリンダ圧を400kPaとして計算してみます。

国鉄車両の標準的なブレーキシリンダのピストン径×ストローク
φ152×185(mm)

 圧力400kPaをブレーキシリンダに加えるとして、
ピストン断面積(15.2/2)^2π≒181(cm^2)=0.0181(m^2)
400kPa=400,000Pa
400,000×0.0181=7,240(N)≒738(kg-f)
という事になります。

 ブレーキシリンダは単動ですから、ユルメバネ(リターンスプリング)が仕込まれていますからその分を差し引きます。

 ところがこのバネの詳細が分かりませんのでブレーキシリンダの組立図を信用して、線径・巻線数・使用圧縮量をバネ使用の常識に鑑みて力量を推定し、最大(押し切った時)の力を1,400Nとしました。

7,240-1,400=5,840(N)≒596(kg-f)

基本テコ比が6ですから6倍して
∴3,576(kg-f)

 水平テコの比を加えた実質的なテコ比が7.66なんてモノもあり、この場合は実に4.6tにもなります。

 常用域である300kPaでも3.4tになりますね。

 基準になる運転台の圧力計はユルメバネの分を除いたブレーキ力発生分であるとする資料もありますので、ブレーキシリンダの発生力をそのまま当てはめれば300kPaの場合、シリンダ発生力は約554kg-fという事になり、ブレーキシューを押す力はテコ比7.66で約4.2tという事になります。

 このくらいの力で押さいと、列車の速度のコントロールは出来ない、と言ったところでしょう。

 桁取り間違っていませんよね?

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2023年5月 5日 (金)

ちょっと旧い写真(その三)

 2002年8月の画像ファイルからです。

P8060019b85

 2002年8月。21時過ぎの東京駅丸の内駅前バスターミナル。
 終バスを示す「行燈の赤点灯」が停まっていたのでパチリ。
 国鉄本社ビル跡地にはまだ何もありません。駅の向こうのビルは今も変わらずに建っているようです。

P8100023b75

 都営大江戸線春日駅。
 リニアモーターカーてどんなんじゃろ、と、当時まだ新しかった大江戸線に乗った時のモノらしい。(よく覚えてません。)
 まだホームドアはありません。
 乗った印象は、「小さい」でした。

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